第4章 日本側の問題


 実は、ここまで日本が中国・韓国の反日戦略で追い込まれた根本の原因は日本側にある。
 それは日本政府の「不作為」があるからである。過去、日本は彼らの言うがままに対応し、反論をしてこなかった。戦時の濡れ衣を着せられても一切の反論をせず、土下座外交を続けてきたがために、その嘘・捏造が事実として扱われ、世界に流布されてしまったのである。彼らは嘘も百回言えば本当になると信じている民族だ。反論せず黙っていることは彼らが正しいと言うことになってしまい、主導権を明け渡すことになる。日本側が今まで一切韓国側の主張に反論することもなく放置してきたことが全ての問題の根底にあることに他ならない。さらには、日本の教育までもが韓国の主張を全面的に取り入れた自虐教育で、真実を歪めている。
 しかも、韓国側で問題にする反日報道は、日本のマスコミが煽り立てたものであることが非常に多い。例えば教科書問題や靖国参拝など、日本国内で騒げば、韓国側だって問題視せざるを得なくなる。日本側がわざわざ相手に反日をさせるよう仕向けているのである(「「親日」と「反日」の文化人類学」)。

 日本人の悪いところは、まず相手を信じる性善説である。我々は日本批判を受けると、まず自分達に何か悪いところがあるのではないかという認識から始まる。日本人に欠けているのは、相手の発言の真偽を疑うということだ。
 前章まででいくつか論拠を提示した韓国側の嘘や捏造を考慮すれば、韓国側がムキになって言うことほど捏造である可能性が高い。だが、日本人はかつて「植民地」にしたんだという意識から、被害者だという韓国側の言い分が正しいのではないか、我々は悪かったから仕方がないんだと思い込む傾向にある。頭を下げれば問題は解決できると思い込むのだ。
 日本人は感情を押さえることを美徳とし、怒り狂う人間を目の前にすると狼狽し、それを静めるため、とりあえず謝罪をしたり、自分から一歩引くことで収拾を図ろうとする。この対応が大きく間違っている。これは韓国に「押せばいくらでも引き、言うことを聞く」と言う誤ったメッセージを送ることになるのだ。彼らは日本人とはまるで正反対の思考であることを認識しなければならない。
 韓国人や中国人は、日本人のこの特性を良く理解している。ごり押しでも主張し続ければ、日本は言うことを聞く、従えることが出来ると思うからこそ、さらに強く日本を批判してくる。日本人の贖罪意識を非常に効果的に利用している。
 彼らの言うことを鵜呑みにすることは一番悪いことである。まず相手の言うことの真偽を確認し、それが正しかった場合対応を考えるべきであって、今のように何ら考察することもなくまず謝って事なきを得ようという悪い癖は直さなければならない。
 例えば日本批判をする際の数字で、日本に被害を受けたとする数字は適当に算出したという証言もある(朝鮮日報日本語電子版2005.01.21)。これなどは誣告の証拠に他ならない。
 戦後謝罪と賠償がないとの発言も度々されるが、日韓基本条約で全て片付いていることだ。それでも日本は天皇、首相を始め謝罪を行い、様々な有償・無償援助を行っている。これは本来、条約違反である。国際条約を破ってまで日本は謝罪や補償を行っているのに、それをしていないと言い張っているわけだ。さらには国民からももっと謝罪や賠償をすべきとの声が聞かれるほど日本国内の教育は狂っている。
 この日韓基本条約は国際条約である。それを破るようなことは、国際社会に反旗を翻すに等しく、非常識きわまりない行動である。双方ともその重要性に気付いていない。特に日本人はその無知の危険水域に入っており、平気で国際条約を破るという認識を持たれても仕方がない。仮に加害者側であったとしても、条約は条約であり、それを無視する行動をするのは、それまでの全てを無にする愚かな行為である。絶対やってはならないことだ。
 特に、韓国の言う「歴史認識を共有しろ」と言うのは極めて傲慢な発言で、これは日本に対し主導権を取ろうという韓国側の意図がある。歴史の認識は、国が違えば全て違うのが当然であり、それを共有しろと言うのは、日本は韓国の一部になれと言うに等しい。韓国人の医師通りに日本人も考えろと言うことなのだ。最近の韓国の覇権主義は凄まじく、特に日本に対しては竹島を始めとして教科書問題で内政干渉をするなど次々と要求するに至っている。歴史事実は共有できても認識は共有できないと突っぱねる必要がある。

 日本人は、韓国に対し同じ儒教思想・資本主義であるし、同じアジアなのだから敵ではないという意識が強い。特に最近はマスコミで韓国ドラマを頻繁に流し、国家関係が悪くなりかけるとマスコミがこぞって韓国の特集番組を流すなどして、国民感情の悪化を止めようとしている。だが、それは日本側の勝手な行動であって、韓国側は国を挙げて反日をしているのだと言うことを忘れてはならない。彼らの精神の根底は「日本は敵」なのである。
 韓国はここ数年、世界のトップ3に入る軍事兵器輸入国家で、2007,8年は世界トップという驚異的な軍拡をしている(聯合ニュース日本語電子版2009.04.28)。しかもそれは日本を仮想敵国としており、軍事力は全て日本との戦争を前提としているものだ。韓国は過去、アメリカに日本を仮想敵国とするよう要請している(朝鮮日報日本語電子版2006.10.18)。特に盧武鉉前大統領は日本とは戦わねばならないという発言や経済戦争だという発言を繰り返し、現在の李明博大統領もその当時の発言を否定していないことからも、今でも日本は敵という認識を変えていないことがわかる。
 ここまで日本を公然と敵としている国は珍しく、根拠のないただの感情論で「敵」を決めていると言わざるを得ない。このような行動を取っている国家なのであるから、日本側は韓国を「敵国」として認識しておかないと、思わぬ裏切りや反発を食らうことになる。我々日本は、韓国を「友人」と思う前に「日本を敵としている敵性国家で、隙あらば陥れようとしている」事を認識しなくてはならないのだ。
 昔より日本側は韓国に対し、様々な配慮をしてきた。だが、その結果がどうかをよく考えねばならない。
 例えば、竹島では、竹島密約としてお互いが領土を主張するとしても軍を置かない、世界に大々的な主張を行わないなどの紳士協定があったが、韓国側が一方的に破棄して騒ぎ出した。外国人参政権では、裁判所が政治的配慮として外国人に参政権を与えることは違憲ではないと傍論で付け加えたところ、それを根拠にして日本に参政権付与を騒ぎ立てている。慰安婦問題では河野官房長官(当時)が認めることで韓国側の沈静化を期待したところ、事実であったと決めつけ、それをきっかけに大々的な反日運動と世界への運動を広げていった。彼らには何一つ期待できないし、してもいけない。配慮をすれば、全て日本側にマイナスにしかならないのだ。ただ淡々と、事務的に、法律を遵守して接することが必要なのである。そこが日本人の最大の欠点である。

 ただ、韓国人は日本を蔑んでいることを自覚してはいるようだ(中央日報2007.06.22)。問題なのは、当の日本人が韓国人に侮辱されていることに気付いていないことである。日本の「恥」の文化、誇りを傷つけられることに対する意識というものがここまで欠落してしまった戦後。これが大きな問題なのである。まさに日教組教育による自虐教育の効果が出たと言うことであろう。最大の敵は日本国内にいるのである。





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